井伊商店の麦味噌
全量麹蓋製法、すべて手仕事の井伊商店の麦味噌について
原材料は愛媛県産または香川県産のはだか麦(と麹菌)と香川県製造の塩のみです。
麦味噌は九州全域・山口県・愛媛県で主に消費されていますが、麦100%のお味噌を造っているお味噌屋さんはなかなかありません。 井伊商店さんの麦味噌を手に取ると、まずその色の明るさが目をひくのですが、同時に、ふわっと懐かしいような、少し余韻の残る甘さが鼻の奥をつくのです。
なぜこんなことが起きるかというと、井伊商店さんのお味噌の袋には、よく見ると小さなムシピンサイズの穴が開けられていて、甘い香りは柔らかいお味噌の入った袋を持った時に、そこから漏れ出てくるものなのです。
なぜそんな穴が開いているかというと、それはガス抜きのため。え?ガス!?と思うかもしれませんが、この世のお味噌はすべて、発酵醸造の過程で生きた微生物がガスを吐き出します。つまり、発酵し続けている限り、お味噌は呼吸を止めないのです。
流通に乗せるための、その発酵を止める処理の仕方は醸造蔵によってそれぞれですが、井伊商店さんでは、あえて完全無添加、非加熱の生味噌のまま販売しています。 つまり、食べる人の手に渡った後でもお味噌が発酵し続けているのです。
塩分濃度は7.3%。通常の麦味噌よりも少し低めです。ですが、その塩がはだか麦麹が生み出す甘みをしっかりと引き立ててくれています。
大豆が入っていない、はだか麦だけのお味噌、一体どんな味がすると思いますか? 普通、お味噌の旨味成分は大豆由来とされますが、このお味噌に至っては、言われなければ気が付かないほどの伸びのある旨味と後引く美味しさがあります。そのずっと追いかけてくる余韻の中に、なぜか不思議な酸味が少しだけ残り、あれ?もう一口、と止まらなくなるのです。
これからくる夏の季節には、お味噌汁だけではなく、ディップやソース、デザートの隠し味にも使えたりと、楽しみ方は無限大です。 懐かしいのに新しい、不思議にやみつきになるこのお味噌をお楽しみください。